西洋ミツバチに関する事なら誰でも自由にお使い下さい。
質問する際は、なるべく名前の横に都道府県を明記していただけると飼育環境等を把握できるので回答しやすくなります。
投稿できる写真の大きさは300KB以下です。書き込み時に入力するパスワードで投稿を修正・削除できます。
パスワードの未設定・パスワード忘れなどで投稿を修正・削除できない場合は、管理者までメールしてください。

管理者:浦添養蜂園 urasoe.apiary@gmail.com 浦添養蜂園サイト

西洋ミツバチ掲示板

2073157

キャンディボード - 杉の子@茨城

2016/11/28 (Mon) 09:43:38

 越冬用の貯蜜について、皆様のアドバイスありがとうございました。

 「越冬直前の給餌は蜂の体力消耗になり、勧めない」というご意見を重視し、「今の貯蜜でなんとかがんばってもらって、早春に給餌する」という方針をたてました。

 ところが、先日の11月の雪にはびびってしまいました。これでは、発熱させるために蜜をたくさん使ってしまい早春までもたないのではないか、と。

 そこで再びキャンディボードに注目しています。
が、キャンディボードは砂糖水や液糖の給餌の弱点を補っているのでしょうか。
 つまり、砂糖水であれば巣房まで運び、ブドウ糖と果糖に転化、濃縮という作業があり、液糖の場合は転化作業はないものの、やはり貯蜜までの手間はかかり、これが蜂の体力消耗になってしまいます。
 キャンディボードは緊急の時の食糧として利用して欲しいわけですが、蜂は「ここに食べ物があるから、万一の時にはこれを食べればいいわ。」と思いそのままにしておくのでしょうか。
 すぐにかじって、巣房に運び込むようでは、やはり体力を消耗してしまい、緊急食糧としての役割を果たさないような気がするのですが。

 蜂に聞いてください、というような質問で申し訳ないのですが、理論上でも実際のご経験からでも構わないので、冬季のキャンディボードの使われ方について教えてください。

 よろしくお願いします。

Re: キャンディボード - みの@山梨 URL

2017/02/18 (Sat) 14:59:42

浦染さま

やはりそうだったんですか。

弱小群だと産卵スペースが小さいので
花粉が少し入っているところを避けて産卵するようだったら巣脾を交換してみたいとおもいます。


ありがとうございました。

Re: キャンディボード - う@沖縄

2017/02/18 (Sat) 10:26:45

砂糖に混ぜた代用花粉は貯蜜巣房に少し混じります。

緑の代用花粉(クロレラやスプリリナ)を与えると、緑色の貯蜜が溜まります。



Re: キャンディボード - みの@山梨 URL

2017/02/18 (Sat) 02:22:59

思ったより巣房はペタペタしていませんでした^^;

こんな感じでした。ここなら産卵できるかもしれないかな?
数日間様子を見てみたいと思います。

もしかしたらミツバチの足に付いてある花粉は花粉貯蔵庫にいれて
花粉入り砂糖水や花粉入りハチミツは普通の貯蔵庫に入れられて蜜だけ吸われて微量の花粉が残っているのカモしれない!?

Re: キャンディボード - う@沖縄

2017/02/16 (Thu) 21:12:45

>>みの様

花粉入りキャンディーボード与えてましたが、巣房がペタペタした感じはありませんでした。

*沖縄なので越冬はしていません。

Re: キャンディボード - MC2

2017/02/16 (Thu) 18:59:56

キャンディーボードではありませんが、砂糖1kgに水100gを入れ固めたハガキ大の物を1月16日に入れ2月16日に内検しました。6枚群~9枚群ですが、どれもほぼ無くなっており、貯蜜もあり、産卵も開始していました。越冬は成功のようです。

Re: キャンディボード - みの@山梨 URL

2017/02/16 (Thu) 16:44:46

今日久しぶりに内検をしてみたのですが
花粉入りキャンディーボードの影響か分かりませんが
巣房がペタペタした感じになっていました。

約1.5枚郡で巣脾の中心部分もペタペタしている感じです
微妙にペタペタしている場所に産卵するのでしょうか?
ハチへのダメージを考えて巣脾はそのままにしておきました。

他に花粉入りキャンディーボードを使用している方、巣房はペタペタしていないでしょうか?

Re: キャンディボード - 杉の子@茨城

2016/12/02 (Fri) 09:17:34

浦添さん
 いろいろな情報ありがとうございます。
キャンディボードというよりも「砂糖固めただけやん」みたいのまで、いろいろあるのですね。
  
 私は、Mさんみたいにきれいなべっこう飴風のキャンディボードを作りたいと挑戦してみました。
 
 一回目は煮詰めすぎてキツネ色というよりタヌキ色になってしまいました。舐めてみるとプリンのカラメルソースみたいな味。少し焦がしてしまったようです。焦がした砂糖ではハチがゲリを起こすと聞いたことがあるので、これは人が食べることにしました。

 二回目は用心して煮詰めたので若干薄く、琥珀色に仕上がりました。今、冷ましています。うまく固まれば、一番貯蜜の少ない6枚群に入れてやろうと思っています。結果は来春報告します!!

Re: キャンディボード - う@沖縄

2016/12/01 (Thu) 16:09:57

海外のキャンディーボードです(写真を参照)。

砂糖の中に代用花粉を埋め込んだりと、色々創意工夫がされています。

巣枠の上に置くタイプ:
http://www.beverlybees.com/i-want-candy-so-lets-make-a-candyboard-for-winter-feeding/

http://www.beverlybees.com/the-bees-are-enjoying-their-new-candy-board/

こちらでは、隔王板の上に砂糖塊を置いています。
https://www.peakprosperity.com/blog/honey-bee-candy-winter-feeding/70069

Re: キャンディボード - 杉の子@茨城

2016/12/01 (Thu) 07:31:07

 Mさんのキャンディボード、おいしそうですね~。
蜂じゃなくても食べたくなりそうです。
 
 越冬用の信頼できる保存食、ということで私も作ってみます!!

Re: キャンディボード - M/鹿児島

2016/11/30 (Wed) 14:08:25

今年はセイタカアワダチソウ同様、センダングサの蜜の分泌が少ないようです。(当地においてはセイタカアワダチソウは見かけません)

いたるところに咲き誇っているセンダングサですが、巣箱の蜜は一向に溜まりません。昨年はこの時期に採蜜するほど蜜蓋がかかっていましたが……

貯蜜が心もとないことから給餌を考え、話題になっているキャンディーボードを試験的に作ってみました。

あいにくと白砂糖の手持ちが切れていて、ザラメが500グラムありましたのでそれで作りました。
しかし、ザラメだと規定の水分容量(7~10%)では溶けきれません。(>_<)

思い切って多めの水を入れて沸騰させ、時間をかけて水分を飛ばしました。頃良いころに酢を入れて、
さらに煮込むこと10数分。水分がほぼなくなった状態で、お皿に入れて固めました。

冷えたらしっかりと固まっていますが、表面はしっとり感があり、これならばハチたちも舐めることができそうです。

成分は蜂蜜と同等のブドウ糖と単糖が分離しており、砂糖とは違う物質なのですね。
ハチたちの非常食としては理想的ですね。

つまり、ハチたちは腹が減ったら蜂蜜を舐めて(食べて)いたのを、キャンげぃーボードを舐めることとまったく同じことなのですね。

花蜜や砂糖水、液糖などは舐めて保存作業に入るでしょうが、キャンディーボードだと“腹が減ったから食べる(舐める)”ということになり、つまり、貯蜜状態の蜂蜜を食べるのと同じ行動になるのですね。

越冬用の優れた保存食という意味が分かりました。
また、蜜源枯渇時の遅効性エサとしても有効のようです。

杉の子さん、ハチたちにはほとんど蜂蜜つくりの負担が発生しなくて、いつ巣箱に入れても大丈夫なようですよ。\(^o^)/

ちなみに、専業養蜂家のNさんの越冬のための当地到着は12/15になるそうです。総数500群以上になるその一部が当地にやってきます。

秋蜜が不調らしく年間の給餌費用が100万円を超えるとぼやいていました。(^_^;

Re: キャンディボード - 杉の子@茨城

2016/11/30 (Wed) 07:31:44

浦添さん
  
「辛い思い出」と言われると、失恋みたいで恥ずかしいですが・・・養蜂経験が短い割りに失敗体験が豊富です。

 めげずにがんばります。ありがとうございました。

Re: キャンディボード - う@沖縄

2016/11/29 (Tue) 21:29:30

>>杉の子様

辛い思い出があるのですね。

キャンディーボードは世界中で使われいてる越冬用の給餌方法です。信頼して良いと思います。

Re: キャンディボード - 杉の子@茨城

2016/11/29 (Tue) 18:45:15

浦添さん
 サイトに「蜂の一日当たりの砂糖、花粉の消費量」のデータを掲載していただき、ありがとうございます。
 参考にさせていただこうと思います。

 キャンディボードは 「少しづつ給餌される高濃度の液糖」ですか。良いかもしれませんね。

 私がこんなに越冬用の貯蜜にこだわるのは、苦い失敗体験があります。

 初めての越冬の時、手ほどきしてくれた友人のおかげもあって、貯蜜はたっぷりありました。にも関わらず、1月の初旬のある日、比較的気温が高く(10度くらいだったのではないかと思います)蜂も飛んでいたので、食糧を追加してやろうと思った私は、蜂蜜を500mlほど巣箱の床に垂らしてやったのです。

 結果としてこれが大失敗でした。
その後、暖かい日はなく、2月の下旬にようやく内検できるほど暖かくなって見てみると、全滅していました~!

 結晶している蜂蜜に張り付くようにして蜂たちが床で死んでいました。
 推測ですが、床に食糧がある、と気づいた蜂たちが回収しようとし、蜂球が崩れ、保温ができなくなったのではないでしょうか。
 内検した時点で貯蜜は十分にあり、私が余計なことをしなければ越冬できていた・・・と悔やみましたが後の祭りです。

 このことから、越冬中の給餌は絶対NG、と心に刻みました。給餌するなら越冬前か早春だ、と。しかし、これが言うほど簡単ではないなぁ~というのが実感です。


 Mさん、その専業のNさんのお話、ぜひ聞いてみてください。今期、間に合わなくても、きっと参考になると思うので楽しみに待っています。

Re: キャンディボード - M/鹿児島

2016/11/29 (Tue) 06:53:56

もうすぐ、当地に150群ほどの巣箱を越冬のために持ってくる専業のNさんがいます。(例年、11月下旬~12月初旬)

埼玉県の大手養蜂、器具販売業者の種蜂育成契約者でもあります。採蜜の主戦場は北海道で当地には3月初旬まで越冬させています。

私はその大手養蜂園から種蜂購入予定でしたが、手違いで間に合わなくなり、Nさんを紹介されたいきさつがあります。(これだけの大群?を20年余当地に越冬させていた事実は知らなかった)

私は5か所にあるハチ場に巣箱を配置する作業を手伝っています。が、しかし・・・

その巣箱の重たいこと・・・(>_<)
巣箱は両手に持って前で抱えるように持つのではなく、両手を後ろに回して腰の上に乗せて持つ(運ぶ)ということを、この時始め知りました。(^_^;
(軽くて、楽です)

いったい、何でこんなに重たいのですか??
Nさんは笑いながら、「3か月分の餌が入っているからね」と、言っていましたが・・・

その時は、餌が液糖か、砂糖水か、はたまたキャンディーボードみたく固形物か詳しく聞きませんでしたが(全然、興味がなかった)、もうすぐ来られる予定ですから、詳しく聞いてみたいと思います。

余談ですが、配置した巣箱の点検や様子見などは3カ月の間に1~2回、あるいは、全然見ないそうです。昨年は3月初旬の回収時までに1回も来られず、
各巣箱のおびただしい「無駄巣」撤去に苦労しておられました。(無駄巣は全部いただいて蜜蝋を作りました。幼虫や蛹もかなり付いていました)

多量の無駄巣を見て、分蜂した群れもかなりいたのではないかと思いました。

暖地で越冬させることと、寒冷地で越冬させるのはその形態が違ってくると思われますが、今回は詳しく聞いてみたいと思います。

杉の子さんや他の方の参考になるかどうかわかりませんが、その時は詳しく報告します。
(でも、今期の越冬には間に合わないかも・・・)

Re: キャンディボード - う@沖縄

2016/11/29 (Tue) 00:19:06

ミツバチの砂糖固体の食べ方ですが、湿った舌で舐め溶かして食べます。

そのため、キャンディーボードは、少しづつ給餌される高濃度の液糖と考えたほうが良いです。

また、ミツバチは体内に蜂蜜を貯める器官がありますので、吸った液糖を全て巣房に吐き出す事はしないと思われます。

>>M様
長い抜粋文ありがとうございます。
花蜜の濃縮の部分ですが、「ミツバチの世界」には、訪花中にも舌を出し集めた花蜜を濃縮していると書かれていた気がします(巣に持ち帰るころには糖度40%になっているとか)。

花蜜の濃縮について、文献を探しましたが詳しく書かれている文献を探しきれませんでした。

Re: キャンディボード - 杉の子@茨城

2016/11/28 (Mon) 21:54:08

Mさん、ありがとうございます。

 花蜜を集めるミツバチ達の努力も涙ぐましいですが、このような長い文章を転載してくださるMさんのご親切にも涙が出ます。
 越冬組への応援の気持ちをひしひし感じて嬉しいです。

 さて、この文章によると、条件さえ良ければ、集蜜してから完熟蜜になるまで約3日ということですね。暖かい日が3日も続けば、給餌しても大丈夫かなとも思いますが、冬場はもっとかかるでしょう。やはり、春先まで待った方が良いでしょうか。

 蜂たちが、キャンディボードが巣箱内にあっても蜜不足になるまで手をつけず体力を温存し、いよいよ食糧不足になったら食べ始める、というのなら越冬前ギリギリ(つまり今)投入しても良いのかなと思うのですが。
キャンディボードも花蜜を集める時と同じような労働をして巣房につめこんでしまうのであれば、今入れるのは得策ではないと思われます。

 悩みます~。

Re: キャンディボード - M/鹿児島

2016/11/28 (Mon) 10:59:49

杉の子さん、越冬準備、ご苦労様です。
越冬用の貯蜜の多寡はどなたもお悩みのようで、また、越冬直前の給餌の方法なども素人養蜂家を悩ませる問題のようですね。

以下、長くなりますがハチたちがどのようにして花蜜を蜂蜜に転化させ、そのためにどのような労働を
こなしているか、信頼できる「近代養蜂」からの抜粋です。ご参考まで。

<花蜜が蜂蜜になるまで>

蜂蜜が出来上がるまでにミツバチがどれほど大変な作業をしなければならないか見てみましょう。
養蜂歴何十年というベテランでありながら、この点について全く無知でおよそ間違った採蜜の仕方を繰り返している方があまりの多過ぎるからです。

<採蜜蜂の飛行速度>
 巣箱を飛び出した採集蜂は、ふつう蜜源を探して一直線に飛んでいくように考えられていますが、必ずしもそうではないようです。飛行速度がこれを証明しています。
アメリカのバークの測定によれば、荷を持たない働き蜂の速度が平均時速20㎞であるのに対して、重荷を持った働き蜂は平均24㎞だったといいます。

蜜源に向かって飛んでいる採集蜂は身軽なのですから、重荷を持って巣に帰ってくる採集蜂よりも飛行速度が大きいはずですが、実際はその反対なのです。

つまり、これは多くの採集蜂が花のありかを物色しながら飛んでいることを物語っているものと思われます。ただし、これはあくまで平均値であり、前者の中には後者の最高速力よりも早く飛ぶ働き蜂も見られるといいますから、いったん豊富な蜜源に通いなれた働き蜂は目標を目指して一直線に飛んでゆくものと考えられます。

<どのようにして花蜜を集めるのか>
 花から分泌されたままの蜜のことを花蜜(Nectar)といいます。これは後述のように蜂蜜(Honey)とは全く質の違ったものですが、ミツバチはどのように
して花蜜を集めるのでしょうか。

花にたどり着いた採集蜂は一応、口器(舌)を花冠の中へ突っ込んでみなければ、花蜜の有無はわからないようですが、ちょっと突っ込みさえすればすぐ判断がつくと見えて、花蜜があれば吸えるだけ吸い尽くしますし、ない場合には、すぐ次の花へ飛び移ります。
もっとも花から花へと飛び移る順序は別に決まりはないらしく、全然調べないでたくさんの花を飛び越えることがよくあります。

経験を積んだ養蜂家ならば、こうした採集蜂の動作を見さえすれば、流蜜の豊凶を判断することができます。せわしそうに花から花へちょこちょこ飛び回るのは流蜜が細い証拠ですし、たくさん咲いている花の一つに長い間止まってじっと吸っている場合には、流蜜が太いものと考えて間違いありません。

なお、採集蜂によっては花に止まってから全然口器を突っ込まないで、すぐ次の花に移ることがありますが、これは既にほかの働き蜂に荒らされた花で、前の働き蜂の匂いが残っているため、すぐそれと判断がつくものと思われます。
この匂いは時間がたつと消えてしまうので、あとから集まった働き蜂はこの花に止まって一応口器を突っ込んでみないと見分けがつかないようです。

では、採集蜂は蜜嚢がいっぱいになるまで花蜜を集めるには、いくつくらいの花を飛び回らなければならないでしょうか。
流蜜の太さは花によってまちまちで、チューリップツリー(和名、ユリノキ)などは一つの花で蜜嚢がいっぱいになることがあるといわれますが、これは特殊な例外で、普通には最低50、最高1000個くらいの花を訪れる必要があるとされています。

アメリカのバーグなどは、100個以下の花で蜜嚢がいっぱいになるような植物ならば、有力な蜜源とみなすべきと言っています。

<飛行中の花蜜の変化>
 こうして採集された花蜜は、従来の通説によれば巣内に持ち込まれるまでに、採集蜂の蜜嚢の中で若干水分を吸収され、生の花蜜よりも濃度が濃くなっているものとされてきました。この通説の根拠になっているのは次の二つの事実です。

①採集蜂は飛びながらよく透明な液体を漏らすことがありますが、これは調べてみると純粋な水で糖分は全然含まれていません。
②巣房に収められたときの蜜の濃度は生の花蜜よりもすでに若干高くなっています。

この二つの事実は多くの人たちの手で何回も追試されましたが、結果は確かにこの通りで、疑問の余地はありません。しかし、この二つの事実から直ちに飛行中に花蜜の濃度が高められると断定できるでしょうか。

これを確かめるには巣門に入っていく集密蜂をとらえて、その蜜嚢の中の花蜜の濃度を測定し、これを生の花蜜と比較してみればよろしい。
バークが行った綿密な測定の結果は、まさに従来の通説の逆で、蜜嚢中の花蜜の濃度はほんのわずか(平均1%)ながら低下しているのです。

つまり、飛行中に1%だけ水分が増えて希薄になるわけです。
しかし、それでは採集蜂が飛行中に漏らす水はどう解釈したらいいでしょうか。
採集蜂が水を集めることは後にも述べますが、問題の水はおそらくこの種の働き蜂が漏らしたもので集密蜂が漏らしたものではないと思われます。

また、巣房に収められたときの蜜の濃度がすでに生の花蜜よりも若干高くなっているという事実は、採集蜂から花蜜を受け取った内務蜂が口器の微妙な操作によって水分を蒸発させているという事実で説明がつきます。この点をもう少し詳しく見てみましょう。

<水分の蒸発はこうして行われる>

<花蜜から蜂蜜へ>
 花蜜は蜂蜜になるまでには、二つの面で変化が起こります。
一つは、今問題になっている水分の蒸発といういわば物理的な変化であり、もう一つは花蜜の主成分である蔗糖が転化酵素(インブェルターゼ)によってブドウ糖(グルコーズ)と、果糖(フラクトーズ)という単糖類に転化するいわば化学変化です。

後者はすでに採集蜂が花蜜を蜜嚢に吸い込んだ直後から始まり、内務蜂によって転嫁が完成されるのですが、水分の発散のほうは上にも述べましたように花蜜が内務蜂に口移しされてからでなければ起こりません。

そしてこれは、
①内務蜂の口器の操作と、
②巣房へ貯蔵してからの水分の蒸発、という二つのプロセスを経て行われます。
①というのは、花蜜を口器で薄い膜状に引き伸ばして巣箱内の温度の高い空気に当てて水分の発散を促す操作のことで、約10分から20分間続けられます。

バークの測定によりますと、この操作によって蔗糖濃度45%の花蜜が60%に増加したといいます。
なお、この操作の間に多量の転化酵素が加えられ、ブドウ糖と果糖への転嫁が促進されることはいうまでもありません。

<大流蜜期には巣門が濡れる>
 ②はこうしてある程度濃度が高くなった不熟蜜は、すぐさま本格的に巣房に貯蔵されるわけではなく、小さな水滴状に分割されたり、膜状に引き伸ばされて巣房にくっつけられます。
こうすれば空気に触れる面積は大きくなりますから、水分の発散は著しく促進されるわけです。

そして、働き蜂たちはさらに水分の発散を促進するために、羽で盛んに旋風を行い、空気の流通を大にします。こうして不熟蜜が一定の濃度に達しますと、再び働き蜂によって集められ、今度は本格的に貯蔵されるわけです。

大流蜜期の夕方に巣碑を取り出してみますと、全面の各巣房に半分以上蜜がたまっている巣碑がよく見られますが、これは空巣を総動員して水分の発散が行われているところで、こころみにこうした巣碑を振ってみますと、不塾蜜がぱっと飛び出します。

ところが翌朝同じ巣碑を取り出してみますと、少量ずつ全面にたまっていた蜜はいつの間にかなくなって、巣碑の上端の各層いっぱいに貯蜜が行われ、残りの巣房は完全に空になっています。
つまり、一晩の間に一定の濃度に達した不熟蜜が集められて、巣碑上部の巣房へ本格的に貯蔵されたのです。

こうした朝には巣門のあたりがべっとりと濡れているのをよく見かけますが、これは一晩中かかって
発散した水分が水滴になって巣門にくっついたものです。

<完熟は満3日間>
 このように巣房に蓄えられた不熟蜜は、ふつう約3日間で80%の標準濃度に達し、純粋の蜜ろうで封蓋をかけられますが、状況によってはこれよりも早いことも遅いこともあります。
一般的に言って、
①花蜜そのものの濃度が高く、
②ハチ群が強盛であり、
③巣内の湿度が低くて温度が高く、
④利用できる空房が十分にあり、
⑤換気が良好である、
 といった場合には濃化は迅速に行われますが、その反対の場合には遅れる傾向があります。

このように見てきますと、濃度の高い蜂蜜を取るには、
①少なくとも採蜜まで満3日はおくこと、
②採蜜は早朝に行うこと、
③群勢を強盛に保つこと、
 の三つが最低条件として必要なことがわかります。

したがって、どんなに流蜜が太くとも、1日おきに採蜜するとか、極端な場合には毎日採蜜するなどということが、どんなに無茶であるかがわかるでしょう。

<採蜜ハチの労働と蜂蜜の価値>

【 採蜜ハチの出動回数 】
 こうして蜂蜜の処理を内務蜂に委ねた採蜜ハチは再び集蜜作業に飛び出していくのですが、それでは彼女はいったい1日に何回ぐらい巣箱と蜜源の間を往復するでしょうか。

この点については、従来は半ば空想もまじえてかなりの過大評価が行われており、わが国でも58回という監察結果が報告されていますが、アメリカやヨーロッパでまとめられた綿密な観測の結果によりますと、どうもこの数字は大きすぎるようで、だいたい10ないしは15回というのが最近の通説です。

また、採蜜ハチが1往復に要する時間や、帰巣してもう一度飛び出すまでの時間などに関するデータから割り出しても、このあたりが妥当な数字と考えられます。
1往復の所要時間は、流蜜の豊富な時期には平均約30分前後、乏しい時期には45分前後
という数字が出ており、また帰巣してからもう一度飛び出すまでの巣内滞在時間は、流蜜の豊富な時期には大部分の働き蜂が5~6分、乏しい時期には7~8分という数字が出ています。

つまり、働き蜂が蜜源まで往復して再び出発するまでの時間は、流蜜が豊富な時期には35~6分、乏しい時期には52~3分で乏しい時期の採蜜作業には大流蜜期よりも5割前後も余分に時間がかかることがわかります。

いずれにしても、1日の出動回数50回などという数字があまりにも大き過ぎることは以上の数字からして明らかです。仮に1日の流蜜継続時間を最大限に見積もって10時間としても、以上のような採蜜速度では1日20回を超えることは不可能で、一般に1日の流蜜が10時間も続くことはめったにありませんから、10ないし15回という出動回数は十分信用できる数字だといえるでしょう。

<10グラムの蜂蜜の価値>
 10グラムの蜂蜜はほぼ茶さじいっぱいに相当しますが、これだけの蜂蜜を集めるために採集蜂が続ける労働は、具体的にどのようなものでしょうか。
1匹の働き蜂の体重は約100ミリグラム、つまり0.1グラムですが、彼女は自分の体重の40%の荷物を運ぶことができるといわれていますが、平均40ミリグラムの花蜜が運ばれると考えてよいでしょう。

そのうち約10ミリグラムは彼女自身の飼料として蜜嚢の中に残りますから、めっきょくす内に持ち込まれる1回の花蜜量は約30ミリグラム前後ということになります。
1日の平均出動回数は、10回前後ですから、1日の採蜜量は300ミリグラム、つまり、0.3グラムということになり、したがって10グラムの花蜜を集めるには、毎日毎日雨の日も風の日も飛び回って33日、1か月以上も費やさねばならないという計算になります。

ところが、10グラムの花蜜から得られる熟成蜂蜜はせいぜい5グラムですから、10グラムの成熟蜂蜜
を得るためには、1匹の採蜜蜂が実に2か月以上も飛び回らねばならないわけです。
そしてその間に働き蜂が訪れる花は少なくとも6万個を超え、飛行距離は優に1万キロメートルを超えることになります。

そのほか、この熟成活動に動員される内務蜂の膨大な数を考え合わせますと、いかに多くのミツバチ
の労働が1サジの蜂蜜に結晶しているかがわかります。 
                            ――出典、近代養蜂――

名前
件名
メッセージ
画像
メールアドレス
URL
文字色
編集/削除キー (半角英数字のみで4~8文字)
プレビューする (投稿前に、内容をプレビューして確認できます)

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.