チルド便、段ボール巣箱考 - M／鹿児島

2017/11/20 (Mon) 06:37:59

事情により新規に20群余を調達することになりました。
これまでに新規の蜂群を購入したことは飼育開始の3年ほど前に1回だけです。その時は当地において越冬する専業養蜂家から購入したので送られてくる蜂群は初めての経験です。(女王蜂の購入経験は数回あり)
長くなりますがその顛末を公開します。

購入先はご存知、沖縄の浦添養蜂園。(^o^)

現在、ハチを飼育している人ならば新規の蜂群を購入することは滅多にないと思いますが、自ら送る場合、または緊急に購入される場合などに生かされれば幸いです。なお、本土においては今の時期に3～4枚群の種蜂導入は冒険でしょうから春先まで待つのがいいかと思われます。

それと、このことは到着からハチ場設置までの私の個人的経験であって、他にいい方法があるかもしれませんがそのおつもりでご理解ください。

最初の10群は1度に送られてきました。ゆうパックチルド便です。当地の郵便局でこれだけ大量のチルド便が1人宛に送られてくるのはたぶん、滅多にないことです。
（11月初旬、外気温度は20～23度、晴れ）

その際に配達員の不手際から、配達用の保冷BOXに詰める保冷剤をすべて下部に敷き詰めてあり、保冷BOXの機能が台無しになっていました。つまり、保冷箱はハチたちの熱気で暖房になっていたわけです。　(-"-;)

到着の知らせは電話するように局に伝えていたのですが、その時は小屋で巣箱製作作業中の騒音で着信に気付きませんでした。(>＿<)

すぐに保冷箱から取り出し、軽トラックに積み替えます。
ハチたちはかなり騒いでいます。
午後2時ころに局に到着するまでは冷蔵庫の中ですから、チルド機能は完全だったはずですから、配達されてきた4時過ぎまでの2時間強が冷房が効いていないはずです。つまり、ハチたちが騒ぎ始める頃だと思われます。

巣箱は浦添さんご自慢の段ボール巣箱です。広い換気用ポリ網が両サイドに付いており、さらに段ボール箱を不織布？の網で囲ってあり、万一、ハチが漏れても外には出られないようにしてあります。この厳重な荷姿は完璧で安心感があります。

しかし、10箱のうち１箱からハチが漏れています。その数20～30匹くらい。見た限り漏れた場所は特定できません。
到着時の参考にすべての写真を浦添さんに送りましたが、さすがに、浦添さんは一発で漏れ箇所を発見されました。
（10箱の段ボールを、写真だけで隅から隅まで探されたのには頭が下がります）

両サイドの換気用ポリ網は縦横にテーピング、固定されるはずが、縦列一カ所だけなされていませんでした。
私も開封時に気付いていましたが、まさかここからハチが抜け出るなんて思いもしませんでした。

浦添さんは盛んに恐縮されておられましたが、段ボールをさらに網で囲ってあるので抜け出ても外には出られません。

浦添さんのサイトで厳重にテーピングした段ボール箱をさらに網で囲う！とありますが、私的にはそこまでやるか！と、思っていましたが、今回の件で、なるほど・・・と思いました。万が一、輸送中にハチが漏れてトラックの荷台などを飛び回れば大変な事態に発展すること間違いなしです。

さて、夕方でもあるし、ハチ場についてもハチが騒いでいるので翌朝まで巣門を開けず、入れ替える標準巣箱の横にそっと安置します。
広い換気用網が両サイドに付いているので蒸殺は起きていないはずだが・・・
（直径3センチほどの丸い巣門があるのに気づかなかった）

翌朝、８時ころ巣門を開けて解放します。
そしてゆっくりと隣の標準巣箱に巣枠を移し替えます。たくさんの貯蜜と、有蓋巣房があり重いです。
私は滅多に煙は使いませんが、この時ばかりは使いました。巣枠を移し替える場合は必須ですね。
果たして死骸は・・・

まったく拍子抜けしてしまいました。
すべての各段ボール巣箱の死骸はせいぜい20匹くらいで、自然死を含めて許容範囲の数です。あんなに騒いでいたのは冷蔵庫から保冷BOXに移し替えられ、冷気から暖気に変わったからだと推測します。
（本来はチルド便で到着した蜂群はほとんど騒がないそうです。寒いからか・・・？）

その後、何回かに分けて20群が発送されてきましたが、やはり、2～3群くらいが取り扱いも安易で便利なようです。

郵パックチルドの場合、他の貨物と混載せずチルド便の冷蔵庫に入れて送られますから、周りの気温や取り扱いの影響を受けにくく、ほぼ一定温度で、しかも、ずっと暗いままです。問題は配達局に到着した後ですね。
チルド管理が行き届かず、いい加減なものです。（私は5年間の配達勤務あり）

このため、できれば配達局まで自ら受け取りに行くのが賢明かもしれません。
（私は常にそうしています。局が近くでもあるし・・・）
ちなみに、局では生物の死着保証はありません。

段ボール巣箱は送る側も、受け取る側も便利と今回感じました。

私のハチ場は軽トラックが入れますから搬入搬出は簡単ですが、標準巣箱などで送られてきた場合運んで設置するまでが大変です。段ボールは軽いし、助っ人もいらず、ほんとうに簡単に設置できました。

そしてチルド便。
これはもう、ミツバチ輸送の革命的な出来事ですね。
おそらく、夏の暑いときでもチルド便を使えば日本全国、どこに送っても蒸殺などという事故は起きないと思われます。

沖縄は今や日本の種蜂供給基地にならんとしています。
ミツバチ及び飼育者に理解があり、良心的な養蜂場をネットだけで探すことは困難です。

私は浦添養蜂園の “回し者” (笑)、ではありませんが、サイトや掲示板、そして、今回の対応において非常に満足しています。