【海外情報】ハチの巣生命体 - う＠沖縄

2017/09/14 (Thu) 20:01:38

シュタイナー養蜂の現代版です。シュタイナーの養蜂は、自然のままに自然と共存を目指しているように感じます。

　超個体（superorganism）とは、多数の個体から形成され、まるで一つの個体であるかのように振る舞う生物の集団のことですが、それはまた個体ごとの部分の総和よりもっと大きな働きをもつ生命体として捉えられます。

　蜂の群れはまさにひとつの美しい生き物で、その統合体が群れの生活の営みを司っているかのようです。蜂の生活ではみなそれぞれがお互いのために奉仕していて、それは女王蜂ですら例外ではありません。

　巣には大きな部房と小さな部房がありますが、そういった部房の構築には、多くの蜂が一斉に関わっています。ある部房づくりに複数の蜂が取り組んでいるそのすぐ隣で、次の部房づくりに別のチームが携わっていて、その設計は誰か個体の指揮によるのではなく、或る生命体として成長しているとしか理解できません。女王蜂はただその部房の大きさに合わせて、雄蜂になる有精卵と、働き蜂になる無精卵を産み分けていくのです。

　蜂の巣全体がひとつの身体なら、巣房は内臓器ということになります。花の蜜や蜂パンを貯蔵する胃袋から、蜂蜜をつくる肝臓のようなもの、赤ちゃんを育てる子宮のようなのものもあります。巣房はまた、縁から内壁に至るまで、抗菌作用をもつプロポリスによって覆われており、免疫力を伴っています。また神経器官としての働きにおいては、房壁に塗り込まれた色々な花のエッセンシャルオイルや花粉の香りが記憶装置となっていたり、蜂ダンスに合わせて巣全体が250ヘルツで振動することで、伝達機関として機能することなどが知られています。

　このように巣をひとつの身体として捉えると、木枠を入れ替えるという、養蜂の基本的な作業にも疑問を抱かざるをえなくなります。それぞれの部位が特定の役割によって位置づけられているなら、木枠を入れ替えることは、心臓をとりだして別のところに挿入したりするようなものです。

　また蜂をよく観察してみると、その存在はすべて円形または楕円形に基づいています。体のつくり、巣内における蜂蜜、蜂パン、蜂の子の配置から、天然の蜂の巣の形状へと波及していきます。そして円い造りは、温度と湿度を調整することにも優れていて、角があると空気が滞ってしまうため、四角い巣箱というのはじつは適切ではありません。

　こういった蜂の巣の全体性の理解は、既成の養蜂に大きな観点の転換をもたらすものであり、突然、巣箱を劇的に変えることは現実的でないにしても、様々な工夫をした巣箱も考案されています。例えばドイツでデザインされた吊り籠型のものは、その中で蜂たちが本来の巣作りができるように配慮され、天然の蜂の巣と同じくらいの高さに設置するように考えられています。

下記のサイトで丸い巣箱が提案されています。巣門は下向きです。
Sun Hive; http://extractor1.wixsite.com/sunhive

詳細は下記のサイトで：
https://lilipoh.com/articles/honoring-the-bien-for-the-love-of-honeybees/