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西洋ミツバチ掲示板

2079012

【昔の養蜂講義】シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/06/06 (Tue) 22:49:56

【90年前のミツバチについての講義です。】

神智学の巨人ルドルフ・シュタイナーは90年前すでに、工業的な養蜂業が続いたならミツバチの消滅が始めるだろう、と預言していました。彼によれば蜂社会における自然な営みへの干渉と女王蜂の人工飼育が危機をもたらすのだそうです。

 養蜂産業において慣習的に行なわれていることの多くがその原因として見直され始めたいま、蜂との調和を保ちつつ創造的な解決策を見つけることができるでしょうか。

もし蜂と人間双方にとって上手くいくような賢いやり方があるなら、それに気がつくのは蜂王国に息づく多次元的総和について理解した人々でしょう。

蜂の共同体は自然環境において神秘的な役割を担うもので、その巣もまた、深遠なる意図によって設えられた工房なのです。

 科学分析によれば、蜂蜜は強酸性で酵素に充ちている上、その高い浸透圧も相まって、いかなる黴菌も繁殖できないとされます。この事実はまた、蜂蜜が物質よりむしろ、花のもつ輝きや、霊妙で星気なエネルギーによって出来ていること、そのために地上的分解力が及ばないということを意味しています。

 シュタイナーの文献から読み取れることは、蜂の巣の複雑巧妙な仕組みへの形而上学的理解をもつことが養蜂家には大いに役立つだろうということです。神智学においては、或る自然現象の難題を解消する第一歩は、まずその問題が起こっている環境における総和的効果を理解することなのです。

「蜜蜂の巣を観察したことのある人なら、その非常に勘よく整えられた暮らしぶりに神々しさすら感じたことがあるかもしれません。もちろん蜂には人間の脳のような器官がありませんから、世界全体を捉えることにおいて、蜂にも人と同じような知性が宿っているとはいえないでしょう。

しかし蜂の巣にはけっして引けをとらない迫力が、それを取り巻く宇宙から注ぎ込まれているのです。じっさい地球環境全体が蜂の暮らしに多大な影響をもつことを考慮したときはじめて、蜂の生命というのが如何なるものか、正しく理解できるようになるでしょう。

蜜蜂の巣を見てみると、アリやスズメバチとは比べものにならない程に完璧な協働体勢ができていて、その全ての営みにおける一つ一つまでが美しくまとめられているのです。」

 ルドルフ・シュタイナー「蜂についての講義第一回 1923年2月3日」より

原典
紹介文 www.organicconsumers.org/news/why-bees-are-dying
シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」第一回 1923年2月3日
http://wn.rsarchive.org/Lectures/GA351/English/SGP1975/19230203p01.html

Re: 【昔の養蜂講義】シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/08/31 (Thu) 19:30:56

 伝統的には養蜂家の死はすぐさまその蜂の巣に伝えられるものでした。そうでないとその群れが破滅してしまうからです。そのとき巣は黒い布で覆って喪に服するものとされ、そのような弔いは群れと養蜂家が良い共働関係にあったなら当然のことと考えられていました。そしてそのあとの行く末は、その群れ自身の決断に委ねられていました。

 それは園芸家が深い意識をもって携わるとき植物が応えるのと同じことです。植物の樹液に含まれるケイ素と、人の血中を流れるケイ素が互いに共鳴するので、その園芸家が病に倒れるとまた植物の力も弱まるといいます。園芸の才がある人が同時に素晴らしい養蜂家でもあるのはよくあることです。

 ひとの血中を流れるケイ素の六角形構成力は、植物の樹液に惹きつけられるミツバチにとっては馴染み深いものであり、蜂が人よりもずっと人間の感情を読むことに長けているのは、蜜の匂いを嗅ぎ分けるごとく、人の血液の流れが表わす感情の起伏に反応するからです。

 蜂の巣に近づく人が恐怖を感じていた場合、血の気が引いているためにケイ素の構成力が表だってくるので、蜂は樹液の蜜に引き寄せられるごとく、その存在をすぐさま察して群がってくるでしょう。

 もし怒りも混じっていたとしたら、血行が激しくなっていることから、蜂は逆に自分たちの巣にある構成力を奪いに来たのだと思い、刺しかかってくるかもしれません。でももし平静な気持ちで近づいたなら、自分たちと同じだけのケイ素の保っていることをみて、脅かされたりはしないことでしょう。そんな蜂たちに、人間の未来世代への祈りを託しに、星の輝く夜に巣に囁きに行くことを、シュタイナーは薦めていたそうです。

以上です。

Re: 【昔の養蜂講義】シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/08/31 (Thu) 19:29:14

追加文がありました。

 一匹のミツバチは心優しい働き者の生き物とはいえども昆虫であることにかわりはありませんが、蜂の統合体はとても高尚な意識によって司どられているものです。

それは動物の通常の進化段階を超越したものです。統合体を構成するミツバチたちがこの非常に発達した意識を示す例の一つが巣の構築です。彼らの住む環境はまさしく自らの創造によるものです。

 蜂たちは蝋膿から分泌した蜜蝋を、完璧な大きさと形にまとめて六角形の巣房へと作り上げていきます。雄蜂、働き蜂、女王蜂の住む部屋はそれぞれ違った形に作られます。女王蜂の部屋は特別に縦長のピーナツの殻のような形にできています。そうして作られた巣は蜂たちにとってのコミニュケーション装置であり、集会場であり、食糧貯蔵庫であり、養育の場でもあります。

 そして或る蜂の一群と、その世話をする養蜂家の間には帰属意識が生まれてくるのです。ミツバチたちが自分の養蜂家を識別できるのは、その統合体にある叡智を表すことでもあります。蜂の巣には魂とも呼べる個性が宿っており、それは一つの主体とも呼べるものです。

 その統合体と養蜂家の間には、人と人の間にみられるような深い関係性が発展し得るのです。
養蜂家が病に倒れたり亡くなったりしたとき、蜂たちは混乱し、巣は秩序を失います。そうした場合には養蜂家の病気や死を直ぐさま巣に伝えに行くことが賢明です。養蜂家が亡くなったときは、その一群が次の養蜂家に鞍替えすることなどできないと感じ、その巣がなくなってしまうということは珍しくありません。

Re: 【昔の養蜂講義】シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/08/02 (Wed) 23:35:29

シュタイナーの蜂の講義はこれで終了です。

90年前の講義なので、現代養蜂と比べると色々間違っている事もありますが、養蜂の歴史が感じられます。

今から90年前の日本は昭和2年です。

Re: 【昔の養蜂講義】シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/08/02 (Wed) 23:27:34

 ミツバチ、スズメバチ、アリといった小さな生物に共通しているのは、体内に毒物をもっていることです。

 この毒は適量を持ってすれば素晴らしい薬ともなり得るものです。アリが分泌する蟻酸は特にその薬効が知られていますが、スズメバチの毒は蟻酸の一種であり、ミツバチの体内を常に巡っていて、その針から放出される蜂毒もまた、蟻酸が昇華されたものです。

 そして蟻酸が私たちの体に効くというのは、ひとの体内でも常にシュウ酸が蟻酸に転換されているからです。身体下部の臓器、すなわち胃袋、肝臓、腎臓、脾臓、腸において、シュウ酸が蟻酸に転換されている様子が観察されます。

 シュウ酸そのものは植物によって生成されます。地球の表面は植生によって覆われており、その上に群がる無数の虫たちはそのシュウ酸に引き寄せられているのです。

 虫が植物を齧ると、人の体内で起こっているのと同じ過程により、植物中のシュウ酸が蟻酸へと転換されます。発生した蟻酸は空気中へと放たれ、大気中には酸素、二酸化炭素などとともに、蟻酸も充満しているのです。

 そういった蟻酸は、呼吸をつうじて、臓器によって生成されたものと共にいつも私たちの体中に送られています。

 このことをつなげて考えると、人と地球との相対図に集約されるでしょう。幼児はその体内で活発にシュウ酸を蟻酸へと転換していて、臓器には蟻酸が満ち溢れ、人間の魂が成長していくのに相応しい環境が整えられています。

 やがて身体が老いて十分な蟻酸を生成することができなくなると、魂と精神はその体からぬけ出ていくことになります。

 つまり蟻酸とは魂と精神を身体的存在につなぎとめている物質でもあるのです。そうすると自然界で起こっていることが人間の成長においても起こっていることが見えてきます。

 人もまた誕生から死ぬまでのあいだにシュウ酸から蟻酸を生成する存在であって、その活動がやんだとき体は死に、魂はもう一度、それらをちゃんと転換できる新しい体へと移ってゆくのです。

 その転換活動こそがこの世界において精神的なものと身体的なものをつなぐ営みであり、大気が蟻酸によって充溢しているさまが、魂が生息する環境状態なのです。

 身体から魂が旅立つ様子は、蜂の巣の中で女王蜂が新しい女王蜂が生まれたときの現象にも重ねてみることができるでしょう。

 新女王の誕生によって、曙光の世界に暮らしていた働き蜂たちに異変が起こります。突如そこに強い光が輝くのを目の当たりにすることはまた、自分たちにとって唯一の光源であった元来の女王蜂から光が奪い去られてしまったことを意味します。

 女王からその絶対的な力をもはや十分に持たなくなり、自分たちの存在を守ってくれるものが失われることに恐れおののき、ミツバチは巣を飛び立つわけですが、それは人の魂が体が十分な蟻酸を持ちえなくなった時にそこから出ていくのと同じ現象だといえるでしょう。

 分蜂という現象は目に見えるものではありますが、その意義においては身体から旅立った、人の魂と同じことなのです。そして女王蜂とともに飛び発ったミツバチを再び次なる巣へと導き、もう一度ひとつの群れとしてのまとまることを助けるのは、転生の機会に立ち合うことなのです。

シュタイナー「蜂についての9講義」第9回 1923年12月22日

Re: 【昔の養蜂講義】シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/07/26 (Wed) 21:35:26

【90年前のミツバチについての講義です。】

 広い意味においてミツバチのような生物として分類できる虫は簡単に区別できるもので、つまりスズメバチ、アリといったものはお互いに似通った特性を持っています。

 ただミツバチに限っては花に由来するもののみを集める生き物です。ミツバチは決してスズメバチが集めてくるような木化されたものに手を出すことはなく、稀に葉っぱのようなものに興味を示すことがあっても、それは何かとても美味しそうに見えるものであった場合のみです。

それもスズメバチと比べてみれば大した頻度ではなく、またアリのその傾向とは全く比べものになりません。

スズメバチとアリは木化されたものを巣の構築に利用するだけでなく、アブラムシのような虫から抽出されるものをよく好んで食するという傾向も特筆すべきことでしょう。

どうやら巣の構築に使われる材料が固くなるほど、その虫は花の蜜へのこだわりを失くし、その代わり、花や葉っぱの上にいるもの、つまりアブラムシのようなものから得られる栄養素に惹かれ始めるという傾向があるようです。

いずれにしても花とこれらの生物とのあいだの面白い関係性において、ミツバチのみが、花からの純粋な抽出液のみに依った存在であるといえます。

それに対してスズメバチやアリは、養分補給に他の動物の体によって媒介されたものを求め、同時に植物の抽出液よりもずっと硬化したものを巣作りに使えるようにもなるのです。

つまり、蜜蝋によって作られた蜂の巣と、樹皮の紙でできたスズメバチの巣と、野外で見つけられる材料から作られ房部屋にまでは発展されないアリの巣との間の大きな違いは、彼らが食べるものの素性に起因していると考えられるのです。

シュタイナー「蜂についての9講義」第7回 1923年12月12日

Re: 【昔の養蜂講義】シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/07/18 (Tue) 23:38:44

【90年前のミツバチについての講義です。】
 
 ミツバチとは異なるとはいえども似通っているスズメバチも、ら幼虫は植物か蜜の原料を摂取して成長します。

 スズメバチの卵が産みつけられたイチジクの実を早めに収穫し、再びその枝にくくりつけておくのは、南欧のイチジク栽培の伝統にみられる、イチジクの糖度を上げる手法です。

 実が乾いていくために通常より早く羽化してきたスズメバチは、夏のはじめに、木になっているイチジクの実に次世代の卵を産みつけます。

 幼虫はイチジクの実のなかの蜜の原料となるものを摂取し、あたかも蜂蜜に転換されるのと同じ過程でより甘いものに凝縮しますが、羽化までの期間に及ばないのでそのまま夏の終わりを迎えてしまいます。

 こうしてイチジクには凝縮された蜜の甘さが加わることになります。
 これはまたミツバチが巣に蜂蜜を蓄えていくのとよく似た過程であることに気づかれるでしょう。実際、イチジクの木の幹断面を見てみると、蜂の巣によく似た模様が広がっているのが分かります。これは樹液の分泌による模様であり、それは蜜蝋によってつくられる模様とよく似ているのです。

 ミツバチは自分たちで作ったその巣に卵を産み、幼虫はそこで成長します。ミツバチはスズメバチのように果実のなかへ入り込むことなく、植物の樹液を自らの体内で変換し蜜を生成することができるので、木に卵を産みつける必要はありません。

 それは植物がその実の中に蓄えているような蜜汁を、植物の樹液から直接じぶんで転換できるために、自分で作った巣に蓄えることができるということです。

 スズメバチの活動によって樹木による蜜の自然生成過程を外観的にとらえることができるとしたなら、ミツバチの巣を覗いてみたときそこに認められるシステムには驚かされざるをえません。

 自然とは養蜂の営みそのものであり、ミツバチはその特性を自然から倣い、自分たちの営みの中で実行できる生き物なのです。

シュタイナー「蜂についての9講義」第6回 1923年12月10日

Re: 【昔の養蜂講義】シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/07/08 (Sat) 01:04:06

【90年前のミツバチについての講義です。】
 
 花から蜜を集めてきて、まずそれを吸収し、それから蜂蜜へと変換する工程は、蜂の体内で起こっている大変な作業です。

 その激務がいかになされているかといえば、それは二種類の体液の間の特別な関係性に基づいています。まずひとつは胃液で、もう一つは血液です。蜂の体を観察すると、白っぽい胃液と赤い血液に気づきますが、このふたつが蜂の存在を形成する二大要素であり、体の他の部分はこれらがうまく機能するために配置されています。

 ここで大事なことは、その二つの働きがお互いとの兼ね合いのなかでちょうど良く保たれていることです。これらは相反する特質をもつものです。胃液は化学的に酸と呼ばれるものであり、それに対して血液はアルカリ性のものです。

 しかしアルカリ性と呼ばれるものは、酸ではないと言う意味であって、実は酸性に転じることもできるものです。胃液の酸性度が強くないとちゃんと蜂蜜が生成されないのと同じように、血液も光と暖かさといった天良好な天候条件のもとではじめて安定した強さを保つことができるのです。

 したがって近年になって問題となっている蜂の病気に対するためには、まずその胃液と血液の健康な状態を安定させる方法を見つけることが課題になります。

 昔のように養蜂ができる環境がなくなってきている今日、一つ一つの巣にちゃんと日光が当たるようにいちいち場所を移したりして蜂の健康状態を気遣うことは難しくなっています。

 それでも蜂の血液に効果的な方法を見いだしていくことは大事で、今後も養蜂家にとって蜂の血液の状態を気にかけることが特に重要になってくるでしょう。

 天候によっては蜂が樹木から集められる蜜に頼らざるを得ない年が続くことがあります。そのようなシーズンが続くと、血液に影響が及ぼされ、例年に比べ病気に罹りやすくなります。

 そうしたことに備えて、小さくても良いので蜂専用のグリーンハウスを立て、そこに一年を通して蜂にとって必須の植物を植えておくことができます。

 例えば春先には蜂が必要とする種類の花がそこにはかならず咲いているという状況を整えることで、もし野外ではどうしても見つからない年でも、蜂はちゃんとその花にありつけるのです。

 巣の近くにこういった場所を特別に設けてあげることにより、病気に抗することが可能になるはずです。昔のように自然が全てを賄ってくれるような環境には戻れないとしても、そこで失われた大切なものを注意深く補ってゆくことが必要です。

シュタイナー「蜂についての9講義」第6回 1923年12月10日


個人的な感想:
90年前でも「昔のように自然が全てを賄ってくれるような環境には戻れない=蜂が飼育しずらくなっている」と言われているのは驚きです。 昔の養蜂家が現在の状況を知ったら気絶するかもしれませんね。

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/07/02 (Sun) 12:00:15

【90年前のミツバチについての講義です。】
 
 一般的に蜂蜜を食べると消化できない人たちというのは、硬化症を患ったことがあるようです。症状は体全体に影響するため、消化機能も滞らせてしまい、代謝の早い蜂蜜を消化することができなくなってしまうと考えられます。

 消化が遅いところへ、早く消化吸収されようとする蜂蜜が入ってくると、相性が悪いため腹痛を引き起こすことになるのです。

 蜂蜜は本来誰もが食べれるはずのものです。そしてただ食べられるだけでなく、味わい吸収することが自ずからできるはずの物なのです。

 もし蜂蜜を消化できない人がいたとしたら、まずその根源的な原因を見てみなくてはなりません。そして硬化を起こした原因に合わせて、あれこれ試してみることが大切です。

 例えば具体的な原因を考えてみて、その人が頭部の硬化症を患ったことがあり、動脈硬化や毛細血管に影響があったのだとしましょう。それならばリン化合物を与え、それで治るならその人は再び蜂蜜を食べることができるようになるでしょう。

 もし肺のほうに影響があったとしたらそういったときにはリン化合物は処方できませんが、代わりに硫黄化合物を与えます。したがって蜂蜜を消化できない人を治すというより、蜂蜜を消化できなくなっている状況をいかにして治すかをまず考えてみることです。


 ここで一つはっきりしているのは、もし蜂蜜を食べられない人がいるとしたら、そこには何かしらの病状があるということです。基本的に健康な人は蜂蜜を食べられるものだからです。

 しかし蜂蜜を食べられないという症状は、砂糖を食べられないという症状に比べたら大したことではなく、糖尿病や砂糖敏感症はずっと深刻な問題です。

 蜂蜜を食べられないという状態はある種の病であることは確かで、治すべき状態であると言えるでしょう。

 シュタイナー「蜂についての9講義」第5回 1923年12月5日
 

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/06/26 (Mon) 22:56:48

【90年前のミツバチについての講義です。】


人工食餌に関する質疑応答:

水四割、砂糖五割、残りの一割はカモミール茶に塩少々加えたものを蜂に与えた場合の効果はどういったものになるでしょうか?

 このような取り組み方もまた、現代文化の抱える根本問題の一例として捉えられるものです。それは人間が自ら服用している薬のうちのほとんどがそういった考えかたから調合され製造されていることと同じです。

 ここではすなわち、蜂がその素性においては砂糖ではなく、蜂蜜と花粉を餌とする生き物であることの意味をないがしろにしているのです。蜂は花蜜と蜂蜜を食するようにできており、砂糖には馴れていません。それは蜂の自然な在り方において決まっていることです。

 しかしここで注目されるべきことは、蜂は冬の間でも見つけてきた食べものを消化し蜂蜜に変換していくことができるということです。質問にもあったようにカモミール茶を加えることにより、蜂の体にもとより備わっているそういった機能に働きかけることになるのです。

 砂糖をカモミール茶に溶かした場合、植物のなかにある花蜜となる部分を取り合わせることになります。カモミール茶のなかにはその薬草成分だけでなく、他の植物についても同様に言えるように、蜂蜜の元になる原料が含まれているわけですが、そのでんぷん質は糖質へと転換する属性をもっています。

 カモミール草は特にその転換作用が強いため、蜂が蜜の原料を集めてくる植物としてはあまり適していませんが、そのお茶に砂糖を溶かした場合、その樹液のもつ、糖質を蜜へと転換する作用を取り入れることになります。

 そのためカモミール茶を砂糖と一緒に食餌することで、蜂の体内での変換作用の助けとなるといえるでしょう。塩を加えるのは、その浸透作用をもって砂糖溶液の消化を促す効果が期待されるからです。

 しかしこの過程は蜂が蜜を餌にしている時よりずっと多くの労力を要するものであることは想像に難くありません。そして体内でこのような変換をできる蜂がどのようなものか考えると、一握りの強靭な蜂のみなのです。
 つまりこのような過程においては普通の蜂はあまり役に立たないということであり、それは蜂の巣全体においては決して健全な情況とはいえないのです。

シュタイナー「蜂についての9講義」第3回 1923年11月28日

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/06/19 (Mon) 20:45:53

とても昔のミツバチについての講義なので、現代では考えられないような説が支持されていたようです。

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - M/鹿児島

2017/06/18 (Sun) 13:11:08

…………
もちろん一部のものはそのまま前の女王と巣にとどまり、もう一度群れを再編成する仕事にとりかかりますが、これらは新しい女王についていく働き蜂とは違った世代のものたちです。
…………

ン、ン、・・・!?
違うような・・・
翻訳のミスかな・・?

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/06/18 (Sun) 12:17:09

【90年前のミツバチについての講義です。】


 蜂が花へ向かって正確に飛んでゆけるのは蜜と花粉の匂いと味覚によるものです。

 蜂の目を観察してみても、大きな両眼はほとんど見えていないばかりか、額にある三つの小さな眼は全くみえていません。それは蜂が護身のために携えている毒と関係があります。この毒が蜂の体内でも常に微量に巡っていて、それは血液による隆起である額の小さな眼を充填させ、眼を覆っているのです。

 蜂に刺されるのは誰であってもあまり嬉しいものではありませんが、それは蜂自身にとっても同じことで、それほどまで外の世界から侵害されることを徹底的に、実際命を賭して拒むほど、自分たちの世界に留まり、自分たちの糧によって支えられた領域のうちに生きているのです。この毒なくしては蜂はこの世に存在することができません。

 ここで分蜂が起こる状況について考えてみましょう。働き蜂はちょうど太陽の一周期内で発育するため、太陽のちからと密着して生きている女王蜂と同一性を感じるほどに、女王を中心にまとまっています。これが新しい女王蜂が誕生したとき、巣内にもう一つの太陽が出現することになり、働き蜂たちはその異常事態に畏れおののきます。

 これは体内の毒の働きに影響し、普段はその作用によって見えていない額の小さな巴眼がはじめて覚醒することになります。もともとほとんど目が見えておらず、薄明るい世界で暮らしていた蜂たちにとって、それは喩えていうなら夏の宵に夕日が沈んだあと、地平の暁に蛍が舞うような情景でしょう。働き蜂たちはその光を追って巣から外へと飛び出します。もちろん一部のものはそのまま前の女王と巣にとどまり、もう一度群れを再編成する仕事にとりかかりますが、これらは新しい女王についていく働き蜂とは違った世代のものたちです。

 飛び立っていく蜂たちは新女王の強い光に目が眩みながらも、体内にある自らの毒のおかげで外界の脅威から身をまもり、蜂世界にまもられて、そのなかに群れをつくって暮らしてゆくのです。


 *シュタイナー「蜂についての9講義」第2回 1923年11月26日

 *餌場を仲間に伝える8の字ダンスは、カール・フォン・フリッシュによって1960年代に提唱されました。

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/06/13 (Tue) 20:25:59

内容がとても難しいです・・・

ルドルフ・シュタイナーについては、下記を参照して下さい。
http://sedona10silvermoon.web.fc2.com/steiner.html

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/06/13 (Tue) 20:22:12

【90年前のミツバチについての講義です。】

 雄蜂、働き蜂と女王蜂の協働関係にもとづく蜂の群れの生態をみるとき、興味深いことにその巣における営みが人間の頭脳の役割とよく似通っていることに気づきます。

 人のあたまには神経、血球、そして常に遊離して存在する円形細胞があります。
 神経を形成する細胞は、まとまりとして囲いこまれているので他のものに発達していくことはありませんが、雄蜂のように、特殊な役割を担う違った個体になる特性をもっています。役目を一番に終えて死んでしまう雄蜂は、恒常的に使い果たされているひとの神経細胞のようなものです。

 働き蜂は蜜を巣に持ち帰り、蜜蝋にして、六角形の巣を造ります。この六角房のなかで働き蜂の幼虫が育つということには、そのまだ柔らかな肢体が成長し丈夫になる過程で、自然のちからがその形を通して作用することを意味しています。

蜂の群れの統合された「全身」としての巣が蜜蝋としてできていることを考えるなら、原料である蜂蜜を運び回る働き蜂は血液に相応します。ひとの骨や筋肉には六角形の構造がみてとれるますが、その材料となる血球が血液として体中に送られています。そして常に単体でアタマの中心部に位置し、最短期間で成長する単体細胞は女王蜂に相当します。

 ですから蜂蜜を頂くことによって私たちの内にもこの強靭な構造力が授けられることになります。食べ過ぎると身体が固くなりすぎいろんな症状の原因となりますが、健康なひとなら、さじ加減を自分で感じて適量が分かるはずです。特にお年寄りの身体を適度に丈夫に保ってくれるものとして、年齢を重ねるほど蜂蜜の効用は大きくなります。 

 シュタイナー「蜂についての9講義」第2回 1923年11月26日

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/06/13 (Tue) 20:19:57

【90年前のミツバチについての講義です。】

 蜂が何より恵みを受け取っているのは、その糧のすべてを花から、つまり植物の愛の力が充溢しているところから集めてきては蜜とし、巣をつくっているからです。

 蜜蜂が他の生物と大きく異なるのは、ふつう生殖へと向けられているエネルギーが抑止され、純粋な愛の営みに司られていることです。

 このことはその発育期間からも検証できます。働き蜂はちょうど太陽がその軸を一周する21日、雄蜂はそれを少し越えた23~24日、女王蜂はそれより短い16日です。太陽の力をまるまる味わったことのない女王蜂は、太陽にとどまる存在として生き続け、独り角のない円形房で暮らします。太陽の一周期によって誕生した働き蜂もまた、太陽の生き物ですが、それを越えて生まれてきた雄蜂は地上の生き物で、それにより生殖能力をもつのです。

 太陽の周期を過ぎてなお発育し、地上の力を得ることによってその重力をも克服した雄蜂が、交尾飛行において、高く太陽を目指す女王蜂のあとを追い、受精させることになります。

 女王蜂は雄蜂なしでも卵を生みますから、卵子は太陽のちから、精子は地上のちからと捉えることができるでしょう。しかし受精しなかった卵からは、雄蜂しか生まれてきません。蜜を集め巣をつくる働き蜂は、雄蜂によって授精されちょうど太陽の一周期を経て誕生するので、女王蜂と強いつながりを持ち、ある一体感のうちに生きています。

 彼らはそういったつながりを断ち切り、生殖だけを役目としさっさと死んでしまう雄蜂のことを、裏切りものだと感じているかもしれません。ただ彼らがいなければ自分たちが生まれてこれないので、必要悪で生かしてやっているのだ、と。

 こうして集められた蜂蜜とおなじ蜜蝋によって巣が作られるのですから、その愛に充ちた巣と向き合うとき、そこにある宇宙の働きが私たちの中へと流れ込み、強さと元気を感じるのも尤もなことです。

シュタイナー「蜂についての9講義」第2回 1923年11月26日

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - ハッチ @宮崎

2017/06/09 (Fri) 06:42:21

とても共感する内容でこれからの連載が楽しみです。ありがとうございます‼

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - 杉の子@茨城

2017/06/08 (Thu) 09:00:31

すごい!!
なんて格調高い掲示板なんでしょう!

 普段、自分では読みそうにない文に目を通すことで得られることも多いと思います。

 何かリクエストできるのないかなぁ、なんて考えるのも楽しみです。
 
 

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - M/鹿児島

2017/06/07 (Wed) 07:46:18


当時においてのかなりの深い造詣を感じます。
連載が非常に楽しみです。
大変でしょうが頑張ってください。

Re: シュタイナー抜粋 「蜂についての9講義」 - う@沖縄

2017/06/06 (Tue) 22:51:23

こんな感じで色々な海外記事の要約を投稿していきます。
ライター様には色々な分野をお願いしています。

シュタイナーの講義は連載になります。

どういう分野の記事が良いかリクエストも可能です。

ご連絡まで。

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